2016年8月28日日曜日

オマエはもう、読んでいる

今回のアプリ「ダンジョジョの一本道(仮)」(Dun Jojo's a straight road)では極力「テキストを排除」するように工夫しています。 文字を排除というと大げさですし、実際のところはそれなりに文字が表示されるのですが…ユーザーどもは

流し読みどころか、ぜ~んぜん読みやしない

と、いうことを知っております。 書籍やブログのように、文字を読むことが当然のメディアであれば、文字を読みます。
読めないから、…ではなく、読まないから読まないのです。
人間は興味のないものは認識しないように、無意識にコントロールしているのです。

極端に短い文字であれば、「読むまでもなく見る」ことで人は内容を頭に入れてしまうハズです。 その境目が何文字なのかは詮索しませんが、仮にカタカナで6文字程度としましょう。
リオ <<< 見る
トーキョー <<< 見る
ブエノスアイレス <<< 読む
バンダルスリブガワン <<< 読む
と、いう感じでしょうかねえ。

とりあえず大きくて短い言葉であるならば、「読むまでもなく見る」ことで、内容を頭に入れます。

上の絵なら、50%オフだと嫌でも認識してしまうでしょう。 短くて…、大きくて…、見慣れた…言葉であるならばユーザーに向けて「刺すように読ます」ことができます。 無視するにはあまりにも存在感が大きいからです。

小さ目な文字で、「ただし、10,000円以上お買い上げの場合に限ります」という注意書きが憎たらしいですねえ。 憎たらしいですが、文字の大きさをハッキリさせることで「何を主張したいのか?」がハッキリします。 むしろ、読んでくれなくてもいいような内容は、小さく小さく書くことで存在感を消します。 逆に「声を大にして言いたい」ことは「文字を大にして書き込む」だけのことです。 しかし、ゲーム画面にこれほど大きな文字を押し込めるでしょうか? たかだか「50%オフセール」を告知するために画面の半分を使う。 こんな燃費の悪い使い方は、タイトル画面でもなければできやしないでしょう。

いくら何でも…、もう少し詰め込みたい。 「竜王の城が南にあるんだけど、河が邪魔して近づけないんだ。 急がば回れですよ先輩」くらいの内容は告知してみたい。 その結果がですよ…。

もう読んでくれません。全ての文字の大きさが均一で焦点がぼやけてしまったので、「50%オフセール」すら伝えれないかも…。 むしろ、10,000円以上買わないとダメだよっ、ていうネガティブ情報が前に出てきたような…。 全てを平等に扱うことによって全てが目立たなくなってしまった。

文字をどうやって読んでもらうか? どうやって画面上に表示させるか? どんな風に情報を分かりやすく編集するか? この あたりは、かの有名な DQ1 の頃から知恵とセンス溢れる偉人によって研究されてきました。文字情報でストレス過多とならないように…。

「ダンジョジョの一本道(仮)」では、見た目で表現することを目指しています。 アニメーションや記号、ゲージ、効果音などによって何が起こっているのかユーザーに認識してもらうことを目標としています。

モヘンジョダロとラスコー

パキスタンに現地の人々が「死の丘」と呼び恐れる、日本でいうところの古墳のようなものがあります。 嘘か本当か、砂を超高温で固化させてガラス状にしたような物質が散らばっているエリアがある。 まるで核兵器の演習場跡地で見られる光景のようです。 遥か古代に…、現人類の体系とは異なる超文明があったのだ! と、いう噂の噂…。 マハーバーラタに記されるインドラの矢説…ン?、宇宙からの降臨…彗星が落下した説…これは現実的ね、…。 モヘンジョダロと呼ばれる遺跡のあるエリアは、あくまで「死の丘」を現地の言葉で読んでいるにすぎません。 遺跡に掘られた文字が解読できないため、古代都市の本当の名前がわからないのです。 都市の文化水準は高く、下水道や公衆浴場などの施設が見受けられたようです。 どうやら洪水によって衰退していった模様です。 つまり、この地には洪水やら天からの矢(核にせよ彗星にせよ)といった、凶悪災害が別々に襲ってきた過去があるわけですね。 受難の末、インダス文明は滅び、インダス文字の解読は難航しています。

一方でラスコーの壁画があります。 15,000年前に描かれたと言われています。 馬や鹿が遠近法を用いて描かれています。 モヘンジョダロの遺跡に描かれた文字が、現代人には解読不能な「?」であるのに対して、 フランスのクロマニョン人が描いた絵は、「馬だね、鹿だね」と現代人に解読されています。 もちろん、ラスコーの石器時代人は風呂に入ったりしなかったでしょう。 モヘンジョダロの方がずっと高度な文化です。 だけど、伝わらない。 文字の便利さと文字の不遇さを、とても考えてしまうわけですね。

私も文字を書くこと自体は好きですし、その証拠にこの細々更新ブログは一話が妙に長い。 だけど、これは結局、日本語が読める人だけを対象にしているわけですね。 アプリの場合は英語圏、いやそれ以上を目指したいわけです。 なので文字情報は、読めなくてもいいよ、という前提で作っています。 一応、JAPANESE / ENGLISH の二か国語対応アプリなんですが、開発中のかなり大部分を ENGLISH ヴァージョンのままデバッグしていました。 流し読みどころか、ぜ~んぜん読んでませんよ。 そういう作成方法によって、言語で説明しない、いわば理想的なローカライズを構築しようと試みたわけです。

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