2015年3月6日金曜日

*男男女・ダンジョン物語*【不幸せの青い妖精】

「恋愛男女ん」という有名なアプリがありますが、 そこからネーミングをぱくったわけではありません。 当方のが早かったので。 そんな時代を先取りしている Androidアプリ「*男男女・ダンジョン物語*」をご紹介します。

「恋愛男女ん」と違って恋愛をテーマにしたゲームではありません。 まあRPGというんですかね、ダンジョンをうろうろして雑魚敵と戦ったり宝箱を発見したりしながら、 キャラクターの強化・成長を楽しむというタイプのゲームです。 戦闘は大事な要素ですので気合が入っています。 なめらか(ぬるぬる)というほどのデキではありませんが、敵のモンスターは違和感がない程度にアニメーションします。

敵とのエンカウントはランダムタイプではなく、シンボルエンカウント方式を採用しています。 シンボルエンカウントタイプの場合、上手に操作することで戦闘を回避できるゲーム性のものもありますが、 当アプリの場合は、そこまで回避できません。 マップ移動の際にアクション性の高い移動操作を行うことはできないからです。 ただし、徒歩タイプのモンスターはマップに足跡を残しながら移動するので、「あっちには敵がいそうだな」と推測をすることはできます。 このへんのアイデアは既存のゲームにあるのかどうか知らないので、あまり偉そうにも言えませんが、 ダンジョンを探索している冒険感、つまり臨場感を高める演出として機能しています。

タッチした場所に移動するという形式です。 スマホの場合、ゲームボーイやPSPみたいに十次キーが付いていないので、「移動操作」をどうやって行うか? という部分が確立しておらず アクションでもRPGでもアプリによってまちまちです。 ちなみに、既存の Android-App では「奴は四天王の中で最も金持ち」というゲームと酷似した移動操作方法です。 これはタマタマですけどね。

仮想十字キーという考え方もあります。 ディスプレイ上に↑↓→←のボタンを配置する方法。 これの長所はファミコン~プレステといった既存のゲーム機と似た感覚で操作できるという点。 短所は物理ボタンと比べて押している感覚がないことによる違和感、 画面上をプレイヤーの指で隠してしまうという分かりにくさ。などでしょうか。 Android版のFF3とFF4は購入してクリアするところまでやってみましたが、仮想十字キーによるマップ移動は そんなに快適ではありませんでした(何もかも台無しにするほどではないけれど)。 ただ、「仮想十字キーによる移動」と「タッチしたポイントまで自動移動」の2way方式を採用しているケムコさんのRPGもやったことが ありますが、この場合は十字キーメインで操作しました。 なぜかって、マップの構造が十字キーありきで作られているから「タッチしたポイントまで自動移動」だと、意図しない動き方をして 歯がゆいんですよね。 しかもランダムエンカウントだから、歩数が増えることによって確実に雑魚敵との遭遇回数がアップするわけだし。 「タッチしたポイントまで自動移動」にするのなら、ゲームシステムすべてをそれ向けに設計しないとチグハグになると思います。 この辺は他デバイスからの移植作品だと融通がきかない。

ログインボーナスなんてものもありますね。 これは毎日少しずつでもプレイした方がお得ですよ、というシステム。 例えば植え木に水をやります。毎日の日課として。 そうすると、繰り返しているうちに「一日一回」水をやらないと、という習慣が身に付きます。 時間としては短くとも、反復によって人の脳裏に強く印象付けられるわけです。 この辺の効果を狙って、多くのアプリで採用されているのでしょう。

あとは石器時代の遺物となった、「会話ウインドウ」が続くだけのストーリー展開があります。 テキストサイズは無駄に大きくしてみましたが、これは会話の文字数を減らす努力を強制するために行った結果です。 ストーリーがそもそも必要なのか? とも思いますが、戦う理由がある方が説得力が増す? みたいな。 例えば特殊ダンジョンその1では、遺跡に閉じ込められた兵士たちを解放する為に鍵を持っているボス敵と戦います。 ボス敵はドラゴンタートル(四天王でいう玄武のポジション)です。 なぜ、この巨大亀が出口の鍵を持っているのかという疑問は私にも答えられぬ難問ですが、兎にも角にも主人公たちがボス敵と戦う理由が 発生するわけです。 出会い頭に遭遇したから戦う雑魚敵とは違うわけです。 能動的に戦わなくてはならないという理由付けによって、ボス敵との戦闘がドラマチックになります。 理由自体は、ありきたりで何百回も見たことがあるような、平凡なものでイイデストモ。

ゲーム開始直後はストーリー要素が濃くて、短時間に出会いと別れを繰り返しますが、チュートリアルが終了すると 本番に突入です。 本番はむしろ淡々とハック&スラッシュという感じです。 レベル上げと宝探しを兼ねた探索の繰り返しがこのゲームの主軸です。 飽きさせないためにダンジョンはランダム生成となっています。 装備品はすべてランダム宝箱から取らねばなりません(兜に関してはボーナススロットでも入手可能)。 店売りの武器・防具はないのでプレイヤーの運次第で展開が変わってきます。 ただし、おカネで魔法と消耗アイテムの購入ができるので、おカネの使い方が上手い人は運に左右されず有利に冒険を進められます。

ここからはゲームシステムにおける酷くマニアックな話なので、読むのがしんどいと思いますが、まあ書きます。 消耗、持久戦という概念はシミュレーションゲームの方が積極的に取り入れている要素です。 例えばガンダムゲームの「ギレンの野望」ではガンダムは超強いですが、最弱のザクを撃破するのにも弾を消費します (確か残弾という概念はなかったが、燃料と武器攻撃を兼用する資源というパラーメータがあった)。 回復できる拠点にいれば何十体でも敵を撃破できますが、補給できない状況だといずれ手詰まりになります。 FPSのDOOMでも雑魚キャラをショットガンで撃てばショットガンの弾を消費します。弾数は有限です。 近距離で当てた方が威力が高いから、射撃用の武器を持っているのにわざわざ敵に近寄って撃つという間抜けなことをする場合も…。 ところがRPGだと魔法使いは消耗しながら戦うものの、戦士は「物理攻撃」という抜群に燃費のいい攻撃手段を持ちます(実質無限)。 ウォーシミュレーションでは機種とか職業とかによって、ここまで極端な攻撃回数の格差は起こり得ない (攻撃回数が基本無限のSLGはあるが、戦車は無限攻撃で自走砲は有限とかいうことはしないですよね)。 つまり、RPGの戦闘のデザインとしては、基本の火力は戦士の物理攻撃をベースとして強い敵と戦う時だけ魔法による援護を行う、 ということなのでしょう。 この考え方は前衛・後衛がしっかり分けられていて、後衛の人は物理攻撃がそもそもできましぇーんという「ウィザードリー」くらい 極端なシステムなら破綻なく適用できるかと思います。

戦闘中にボタン連打していれば上図のようになるわけです。 前三人は「たたかう」(物理攻撃)、後ろ三人は「みをまもる」(防御っぽいけど実質何もしない)が基本行動になっています。 ここから大事なことを言います。 前衛の三人しか物理攻撃を行うことはできない。 つまり、「物理攻撃が得意な三人」+「魔法が使える三人」という組み合わせにするしかない。 実際はもう少し複雑で攻撃・防御ともに中途半端で魔法も使えない「盗賊」を前に入れるか後ろに入れるか?という選択をしないといけないのですが。

比較として自由にジョブを組み替えられる「ファイナルファンタジーⅢ」を見てみます。 こちらは4人パーティーですが、4人とも物理攻撃が可能だし4人とも敵からの物理攻撃を受けます。 一応、前衛・後衛の概念はありますが、WIZ が後衛の人が殴れない仕様であることと比べれば曖昧であり、前衛・後衛でちょっと被ダメージが違うよ、というくらいのものです。 何より4人とも戦士タイプにしても差し支えないわけです。 で、全員戦士タイプにすることはアリといえばアリなんですが、全員魔法使いタイプにすることはナシなんですね。 なぜって、攻撃の度に弾数を消耗するわけだからすぐに枯渇する。 で、バランス的にも戦士タイプ+回復が得意な人でパーティーを構成すれば、だいたい無難に乗り切れる感じなんですよね。 そもそも敵のパラメーターの中の防御値が、同レベルの敵だと一定になっています。 だから、とあるダンジョンで遭遇する雑魚敵の防御値はだいたいみんな同じです。「紙装甲」「重装甲」なんて概念はないです。 これは戦士系のダメージバランスを取りやすくするために、そうしているのでしょう。 バランスといえば道中で手に入る「○○の剣」とか「エクスカリバー」とか「マサムネ」なんかの武器も戦士系に装備させるものですからね。 全員魔法使いタイプだったら宝の持ち腐れとなります(赤魔導師という微妙な人がいるが…)。 それに戦士系だとボタン一発でヒュンヒュン1000ダメージ、とかなのに魔法だと魔法選択の操作過程がまず面倒。 しかも攻撃のエフェクト若干長いし。 ダメージ低いし。 しかも回数制限あるし。 完璧に攻撃魔法 is DEAD...

この職業格差を埋めるためには WIZ みたいに前の人と後ろの人の役割分担を厳密にするか、 あるいは戦士も物理攻撃で消耗するタイプにするか…ということになります。 殴っても消耗するのであれば、全体攻撃が可能である魔法使いの株が上がります。 ただし、攻撃するたびに消耗していくというデザインではランダムエンカウントに馴染みません。 雑魚敵との戦闘回数をある程度限定しないことには、成立しないシステムだからです。 現実で考えると、日々の労働…、残業なんかがあって毎日一定というわけにはいかないが、それでも8~12時間みたいな感じで限度があるよね。 これが8~32時間みたいに幅があったら「決して疲れないRPGの戦士のような肉体」でないと無理なわけ。 逆に考えれば、雑魚敵の数が有限であれば「RPGの戦士の肉体が消耗」してもいいわけですよ。

「*男男女・ダンジョン物語*」では、疲労度の要素があります。 例えば魔法を使ったときはMPに該当する数値が疲労度に加算されます。 また、武器攻撃の場合は倍率(武器の重量を力で割った数値)によって、一回の攻撃における加算疲労度が決まります。 つまり、重たくて強力な武器ほど燃費が悪いということになります。 いずれにせよ攻撃できる回数は有限であると考えなければなりません。 雑魚敵は基本的に8部隊と数が決まっているので、倒すたびに確実にエンカウント率は低くなります。 敵の部隊数が減ってくると、逆にこっちが探しても見つからないくらいの状態になります。 だいたい3~6戦でダンジョン脱出となります。 BF2に関しては8部隊+溶解トロル2部隊(部屋から動かずに宝箱を守る敵)となりますので雑魚敵は多いです。 疲労度が高まると各種パラメーターがダウンして弱体化していき、最大値255に到達すると戦闘中のスピードが1/3になるという極悪なペナルティが課せられます。 疲労度が高くなった状態だと、普段ならまず勝てるような雑魚敵に負けることも考えれます。

とはいえ、疲労度を回復する手段が用意されています。 「巨人薬」「魔人薬」というドーピング薬をアイテム欄一つを潰して所持(飲んだという扱いになる)すれば、疲労度は全回復し、 さらに戦闘中の行動による加算疲労度が0になります。 若干のパラメーターダウンがあるものの、非常に魅力的な消耗アイテムとなっています。 RPGにはMPなりSPなりを回復する便利薬が用意されていることが多いものですが、やはりそこには同様のやり口が存在します。 ただ、ドーピング薬を入手するには宝箱から発見するか(いつ手に入るかわからないので不安定)、 お店で購入するかしかありません。 購入すれば当然おカネを「消耗」します。 ここまでは他のRPG、回復アイテムでいくらでも補給できるからラクラクなゆとり仕様ゲーム、と言われているタイプのものと比べても同様です。 ただし、「*男男女・ダンジョン物語*」では、おカネの入手手段が宝箱からのゲットしか方法がありません。 一応、武器商人イベントというものをクリアすれば在庫品を売れるようになりますが、それは結構あとになります。 で、宝箱からのゲットしかないし獲得額もランダムで幅があるし…、となってくると1回の探索における収入はかなり不安定なものになります。 モンスターがおカネを持っている場合は収入が安定するのですが、あえて不安定になるように設定しております。 おカネの使い道は多く、しかも一回の宿泊で1%ずつ複利で物価が上昇します。 だから「巨人薬」「魔人薬」を多用する作戦はおカネという観点からだと燃費が悪いものになります。

では消耗品アイテムをまったく購入せずに進めた方がよいのか? 確かにその方がおカネは減りにくいですが、最低限は準備しておいて いざというときは迷わず使うのが賢明です。 いざというときとは? それは「使えるアイテムをゲットしたとき」「平均以上のおカネをゲットしたとき」の帰り道です。 全滅するとランダムダンジョンに突入してからの出来事がなかったことにされるので、せっかく手に入れたレアアイテムを失ってしまいます (オートセーブを採用していますが、Room と呼ばれる拠点にいるときのみ自動でセーブされる)。 しかも上述したように、敵と戦えば戦うほど確実に消耗し弱体化するので、帰り道ほど危険度は高くなりパーティーが全滅する可能性は上がります。 それを避けるために疲労度が高くなっているキャラがいたらドーピング薬で回復させたり、 オツにスパイダーウェブ、ドラゴンヘッドといった攻撃アイテムをセットして万全の態勢で帰還できるようにします。 また100~500くらいの稼ぎが相場のところで1000ゴールドでも稼げたのなら、300~400ゴールド相当の消耗アイテムを使ってもお釣りがきますのでアイテムを使うべきです。 この辺の打算的に保険をかける手法を駆使すれば、効率よく冒険を進めることができます。

さらに書くなら成長システムです。 これは武器攻撃をすれば「力」、攻撃をヒットさせれば「技能」、魔法を使えば「魔力」、とにかく行動すれば「素早さ」、敵からダメージを受ければ「体力」、敵から特殊攻撃を受ければ「魔抵抗」 みたいな感じで内部的にポイントが加算されていきます。 魔法を使わないと魔力が上がらないし、 軽い武器しか使わないと技能は上がっても力が上がらない、みたいに行動や装備に応じて成長の仕方が変化します。 また宝箱ゲットの際に「技能」「素早さ」のポイントが上がります(盗賊っぽいスキルなので)。 で、帰還して休息を選んだときにポイントが規定値以上なら能力が上がるわけです。 能力にはハンターハンターの念みたいに(位置的に)反対側の能力というものがあり、 今回は魔力が上がりますのでその影響で反対側の○○は規定値以上ポイントありますけどアップしません、的な複雑なこともしています。 何と何が反対側、真逆の関係にあるのかは忘れました。 で、成長ポイントなんですが、一回帰還すると0になります。 だから、中途半端なところで帰ってくるとほとんど能力値アップがなし、ということになります。 一回の宿泊で1%ずつ複利で物価が上昇するのだから、なるべく多めに能力値アップした方がお得です(最大で4パラメーターが+1となる)。 だから早めに切り上げて安全に帰還、を繰り返すのは成長が遅くなるのでオススメできません。 獲得アイテムがイマイチ!と感じたのなら、無意味に戦闘回数を増やしてでも長居すべきです。 疲労度150くらいまで到達すれば何かしらの能力複数種が上がることでしょう。

つまり、
「おやつは300円まで」
「家に帰るまでが遠足」
という金言をゲーム化したようなゲーム性です。 消耗アイテムをバカスカ使えばおカネが他の方面(魔法とか通行手形とか)に使えずに苦しくなるし、 消耗アイテムをケチケチしていれば全滅することも多く時間の無駄となるでしょう。 ゲームなんだから時間を無駄にすることは無論、問題無いのですが全滅しすぎはつまらないと思います。 このように戦略的に考えさせられる部分があるから、いわゆる経験値稼ぎも面白くなってきます。

よろしくね。
「*男男女・ダンジョン物語*」

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